
地獄少女二籠第22話。今回は悲運の少年紅林拓真のその後のお話。運命は彼にどれだけ責め苦を味わわせれば気が済むのか・・・。この子が出るとわかった時点である程度結末は予想できましたが、なんかここまで見せる必要があったのかとも思いますねえ。唯一の救いはお父さんが辛くも命を取り留めたということくらいでしょうか。では第22話「憧憬」の感想です。
父母をその手にかけた「悪魔の子」と周囲の人々からは心無い誹謗中傷を受けながら、辛い日々を過ごす拓真少年。そんな中で唯一自分を犯罪者として見ず、普通に接してくれる少女と彼は出会います。少女の名は水谷せり。他の住民が出て行けと陰口を叩く中、せりだけは違った。そんなせりの飾らない姿に拓真は心を開き、一緒に住もうと提案するのでした。
あの事件以降、拓真に久々に訪れた平穏な時間。年上のお姉さんとの二人きりの生活(まあ一日だけだったけど)といえば突っ込みどころ満載のシチュエーションなわけですが・・・この子の今までの不幸を考えると茶化すことすら躊躇われる感じですねえ(笑)。せりはどうやらこの街を出て行こうと考えているようで、拓真も一緒に行かないかと誘うのでした。しかし入院中の父をそのままにしていくわけにはいきません。そこにまたまたきくりが訪問、拓真はその背後に地獄少女の影を感じ取るのでした。
骨女がきくりを回収しようとしますが、きくりは言うことを聞きません。そこであいが登場するとようやくきくりは拓真の家を出て行くのでした。藁人形トリオの言うことは全く聞かないきくりですが、あいの言うことだと一発で従うんですねえ。骨女達の立場ないですね(笑)。あいが姿を見せたことで、拓真はまたどこかで地獄送りが行われることを確信します。そしてその相手はもしや・・・。
拓真はせりに地獄少女のことを打ち明けますが、せりは拓真が度重なる不幸で弱っているとしか思ってくれません。まあ普通はそうだろうなあ、マジで!?と信じるほうが異常ですよね。その夜拓真は偶然せりが脅迫電話をしているのを目撃します。せりは脅迫していることを認め、経緯を拓真に打ち明けるのでした。
せりは自分の住処を奪ったこの街から出たいと思っていた。しかしそのために必要なのはやはりお金、そこでせりは一つの悪事を考えます。未成年であることと女であることを武器に、復讐も兼ねて自分の家を奪った建設会社の関係者であった蓮江を誘惑し、脅迫したとのこと。うーん・・・確かにせりは決して悪い子ではないとは思うのですが、この行為は頂けませんねえ。自分の住処を追われたせりには同情しますが、だからって悪事を行っていい訳じゃない。そしてせりはこの行為の報いを受けることとなります。
そして訪れたせりとの別れ。せりは落ち着いたら連絡すると言い残し、バイクで去っていきます。そして昨日の夜の電話の約束通り蓮江の家にお金を取りにいきますが、家の扉の向こうでは蓮江の妻が藁人形を手に立っていたのでした。なぜきくりが自分の前に姿を現したか、その真意に気づいた拓真ですが時すでに遅し、妻は糸を引いてしまい・・・。
拓真が駆けつけた時に残されていたのは壊れたバイクの残骸のみ。拓真はせりからもらったカエルの小物を握り締め、ただ呆然とするしかないのでした。せりより拓真が可哀想ですね・・・せりは地獄送りされても仕方ない部分もあるし。といえせりが同じ境遇の拓真に共感してくれた唯一の存在であったのも事実。罪は罪ですけど彼女は拓真のために生きていて欲しかった。運命のいたずらもここまでくると呪われているとした言い様がないなあ。
父母に続いて自分をわかってくれる友すら奪われた拓真。さすがのあい達も彼を不憫に思い始めたようです。されどあい達はただの執行者に過ぎず、出来ることはただ彼を見守るだけ。どうやら二籠では彼の行く末をラストまで追っていくことになりそうですね。次回「不信」、拓真の悲劇はまだ終わらないのか。そして彼に関心を示すきくりの真意は何なのか。期待しましょう。
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